第12章

巨大なスクリーンが二つに割れ、衝撃的なデータが並んで表示された。左には五条グループが提出した完璧な報告書。右には、合併症率が四十パーセントポイントも高く、死亡率が一五%にも達するという、恐るべき実際のデータが映し出されていた。

和也は恐怖に顔を引きつらせ、スクリーンを凝視していた。医師である彼には、その意味が痛いほどわかった。声は震え、今にも途切れそうだ。「ありえない……僕たちは……僕たちは、あんなに多くの患者を……」

「和也、あなたが治療した患者さんたちが使っていたのは、すでに確立された別の薬や治療プロトコルよ」私は、優しくも残酷な真実を告げた。「エーテリウムが実際の臨床現場で本格...

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